日記

枕詞

 世間は盆休みで実家に帰ったりオタクはコミケというオタクの夏祭りがあったりバタバタと忙しそうにしている。僕はというと実家暮らしでオタクでもなく連休もないので遠出もせず家で仕方ないなぁと言いつつ酒を煽っている。

 

 itunesの再生数トップの曲を上から順に、その途中、薦められたバンドの曲をyoutubeで聴いたり、知らない曲を合間に聴こうとしてたんだけどいまいち楽しくない。というのも音楽なんてのは自ら聴こうと思って再生するものではなく、気の利いたBGMのようにふと流れてくるのがベストなのであって、じゃあ気の利いたタイミングはいつなのよといえば何の予定もない雨の休日に昼過ぎに起きたときとか、何も持たずに家を飛び出した15の夜とかまあ気の利いたときだ。最近の自分の日常には気の利いたタイミングなぞ訪れなかったので今日も静かな自室で息を殺して過ごしている。こんなに何も起こらなくてつまらないのにあんなに待ち遠しかったのはなぜなのか。横になりながら漫画をよんでいたら腹が減ったのでおそらく昼時なのだろう。

 時計を見るのがとにかく苦手で、休日なんかにみようものなら見るたびに心を痛めるので7年ほど前から自室に時計を置かなくなりました。決められた時間に決められたことができる人、季節ごとのイベントや旬の食べ物。きちんとこなしていく人は日本人のコスプレをしているようで、やはりいい腕時計なんかをつけてるのだろう。酒がなくなったので継ぎ足しました。ウォッカとリキュールとコーヒーに生クリームをいれるとホワイトルシアンという名前が付いた酒になるようで、ビックリボウスキを見たときから何とも美味そうだったので飲み続けている。

 枕魚と惑星9の休日というマンガの短編集を読みながらふと自分が使っている枕をみる。考えてみれば睡眠時間が6時間として、一生のうちの4分の1も使う枕というものについてこれまで考えたことがなかった。靴や服が腕時計なんかを買うよりもよっぽど優先度が高い気がしてきた。次の休日は枕を買いに行く。時計もなく無音の自室にグラスに半分ほど残ったホワイトルシアンの氷がカランと音を立てたので、また継ぎ足した。